【工芸探訪】たんぽぽの家アートセンターHANA(鹿コロコロ)

2016-01-19

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秘密兵器その1「鹿さんスタンド」!

型の側面にレールのような溝を入れています。

作業風景

秘密兵器その2「カウントピラミッド」!

秘密兵器その2「ハンコリング」!

張子作りを教えてくださった吉岡武徳先生

初めての試作品は、ぽっちゃりしてました。

最終形。

「今から100年後に残る郷土玩具」を目指して生まれた、

奈良の新郷土玩具「鹿コロコロ」。

先日、作り手である「たんぽぽの家アートセンターHANA」を訪れました。


たんぽぽの家アートセンターHANA(以下、たんぽぽの家)では、

障がいのある人たちが、ひとりひとり間仕切りのあるスペースで

日々創作活動に励んでいます。

展覧会に出品する絵を描く人、大きな動物のオブジェをつくる人、

フォントを作るためにモデルとなる数千にものぼる文字を書く人、

個性によって取り組む内容はさまざまです。


たんぽぽの家のみなさんと新郷土玩具を開発するに当たって

日本市がまず考えたことは、作り方。


これまで、現役の郷土玩具の職人さんと何度かお話しする機会が

ありましたが、皆さん口をそろえておっしゃるのは

「手間がかかってたいへんだ」

「作り手がどんどんいなくなってきているんだ」

ということ。

たとえば張子なら、木型を作る人、紙を張る人、絵付けをする人と

分業制で完成させていくことが多いのですが、

近年では木型を作る職人さんがいなくなってしまったために、

新しい形の張子ができないという事態も起こっています。


そこで私たちは「昔のよいところは生かしながら、

いろんな人が作りやすくなる方法」を模索しました。


その作り方のひとつが、3Dプリンターで樹脂製の張子型をつくること。

本来の張子は、木型の上に糊を薄めた水に浸した紙を何層も張って乾かし、

刃を入れて中の木型を取り出し、中身を空洞にするという工程があります。

なので樹脂製の型を作る際は、張子の職人さんに見せていただいた

昔の木型をヒントに、刃が刺さりやすいよう型の側面にレールのような

溝を入れました。


ふたつめは、紙。

大正以前の古書に用いられる繊維の詰まった紙が

張子には適しているそうなのですが(一説。おそらく職人さんによりいろいろです。)

入手が困難だったため、はじめは新聞紙で試してみました。

ですが新聞紙だけでは、どこで1層張り終わったのかわからなくなってしまいます。

そこで、真っ白な半紙と交互で張ることにしました。

新聞紙の上から半紙を張り、新聞紙部分が見えなくなったら

1層張り終えたサインです。

また、今何層目を張っているのかわかるように、

たんぽぽの家のスタッフさんは、4個のピラミッド型のコマを用意してくださいました。

名付けて、「カウントピラミッド」!

新聞紙1層・半紙1層の1セット張るごとにコマを1個手前にずらす。

4個全部移動したら4セット張り終えたことがわかるという仕組みです。


ほかには、車輪部分の絵付けがずれないようリング型の判子ガイドも導入。

名付けて、「ハンコリング」!

リングの中に車輪パーツをはめこみ、車輪パーツとほぼ同サイズの判子を

リング内めがけて押せば、いつも同じ位置に判子が押せるという秘密兵器です!



鹿コロコロが生まれるまでに重ねられた工夫のすべては、

いつも障がい者のみなさんと向き合ってお仕事をされている

スタッフの皆さんのすばらしい観察力あってこそ。

「こんな風な仕上がりにしたい」というイメージをお伝えしたら、

どんどん実現可能な形にしてくださるスタッフの皆さんとの打ち合わせは、

毎回驚きの連続でした。本当にありがとうございます!


また、右も左もわからない状態だったにもかかわらず

一番はじめに張子の作り方を教えてくださった

須磨張子の職人・吉岡武徳先生にも、

多大なるご協力をいただきました。ありがとうございます!


たくさんの方からお知恵を借りながら、

これからも進化し続ける新郷土玩具。

次回の登場も、どうぞお楽しみに。



奈良・鹿コロコロ

サイズ:約6×11×3.5cm

価格:¥3000+税

1月20日~ 日本市 直営店でお取り扱い開始です。



投稿者 : 日本市

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